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額田王2

昨日につづいて額田王の役作りのお話です。

当時の師匠は、役作りのためにレポートを提出させていました。
舞台に出てくる直前までのその人の人生をすべて書くのです。
初舞台の役柄が50代というのは、ちょっときついですよね(笑)
中大兄皇子、大海人皇子との出会いや別れ、娘(十市姫皇子)の出産と別れなど、一つ一つを、色々な本を読んでは、自分で考え、台本と一致するように物語を作っていきます。
その年の大晦日は独りで原稿用紙に向かっていました。
後にも先にも独りで過ごした大晦日は今のところそのときだけです。

でもやっぱり書いただけではまだ足りません。
これを瞼の裏にいつでも、自分の思い出としてよみがえらせられるよう、映像として組み立てるのです。
会社の昼休みも庭で、ひたすら空想にふけりました。

そんな作業の中で、私は始めて、別な人の細かい発言や行動を深く考えるということを経験したのです。
この脚本の中の額田王は比較的私自身と価値観が似ていたので、今から思えば少しはやりやすかったのかも知れませんが、それでも「なんで、このときにこういう行動をとったのだろう」「なんでこういうことを言ったのだろう」と深く掘り下げていくと、少し前から勉強していた心理学やカウンセリングととても通じるような気がしてきて、そのうちに「こういうときにこういう行動をするひとは交流分析で考えると。。。。。」などと想像するようにもなっていきました。

でも、そんなことをしても、まだまだ演出家からはOKは出ないのですね・・・・・。
苦しい日々でした。

by yoko4122 | 2005-01-17 23:44 | 役作りから得たもの  

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