女優C

さて、初舞台からちょうど一年後に取り組んだ芝居の話しです。
清水邦夫さんの作品で「楽屋」。芝居好きのかたはご存知かと思います。
楽屋を舞台に女優四人が繰り広げる物語です。
四人といっても二人は幽霊(AとB)。それからこの楽屋を一人で使う主演女優(C)。そしてもう一人は主演女優のもと付き人で、精神的に病んでいて、後に殺されてしまい幽霊になる女優(D)。。。

それぞれの芝居に対する思いや、人生観、恋愛観。。。。いろいろなものが詰まっています。
Cは、チェーホフの「かもめ」の本番中。楽屋には出番前にいてと出番後に戻ってくる。出番前は「かもめ」の台詞の練習をしたりする。
出番中は、AとBの物語になる。二人が何故幽霊として楽屋に棲み付いているのか。。。。
そして出番後に、精神的に病んだDが訪ねてくる。DはCに必死で、独りで主役を張り続ける人生の惨めさをずばずばと言い、そして主役をよこせという。(というか、もともと自分が主役
だったのだから返して、と訳のわからないことを言うのです)
追い詰められていったCはDを殴ってしまう。。。。。。。

その後のCの独白シーンが、難しく、そして好きでした。必死で稽古し、努力し、ようやく手に入れた主役。(この女優は大きな劇団の大女優ではない)孤独との戦いの日々。でも!これでいいんだ、と自分に納得させていく、立ち直っていくシーン。
すごく好きだけれど、難しい。だって、そこまでの経験がない。。。。。。そんなことはもちろん言い訳になりません。だったら殺人犯役の人は経験があるんですか?泥棒は?という話しになってしまう。

日々、また精神的な面での役作りに励みましたが、このときの演出家からはメソードという演技技法(って表現していいのかな?)を習いました。
それで、役としての精神的な掘り下げの役作り以外のアプローチの仕方を知ったのです。
メソードはこの後もう一年勉強しました。
(メソードの説明は長くなるので、また別の機会に。。。。。。)

このときに得たものの一番は、台詞ひとつひとつに込められた意味を深く考え、その人となりを捉えること。
すばらしい脚本なので、台詞のひとつひとつの繋がりから、人物像や過去の経験などが浮かび上がってくるのが良くわかるのです。

「他人を知る、理解する」ということに改めて面白さと難しさを感じると共に、ますます、これは心理学なんだ!と思えたのでした。
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by yoko4122 | 2005-01-26 21:13 | 役作りから得たもの  

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