カテゴリ:役作りから得たもの( 11 )

 

東京大空襲

3月10日。60年前に東京に大空襲があった日ですよね。
昨日テレビで、「あのときに戦争をやめる決断をしていれば、沖縄も広島、長崎もなかった」という言葉を聞きました。

以前語り芝居で、特攻隊の話をやりました。原爆の話しもやりました。
このときの役作りは、こんな話を聞いたときに、ぐーっと身体に蘇ってきます。
苦しいです。

忘れてはいけない。
語り継がなければいけない。
実際を知っていらっしゃる方々がだんだんにいなくなってしまうなか、私も語りをやる者として、なにかしなくてはいけないな、、、と思います。
[PR]

by yoko4122 | 2005-03-10 22:15 | 役作りから得たもの  

六条御息所

この時期になると思い出します。
8年ぐらい前の春の公演で演じた六条御息所。
といっても亡くなった後の幽霊役でね。。。。^^
怨みつらみを言いにきたというよりも、男の身勝手さを伝えに来たという感じの役でした。
役作りはいろいろ悩みましたが、もう一度やってみたい役の1つです。
気位が高く、それなのに年下のプレイボーイに本気になって、、、、って、決して古い話しじゃないですよね。今でもどこにでもありそうな恋。
でも、そこに気位だけでなく、実際の身分の高さとか、当時の考え方とかが入ってくるので、学生時代に平安文学を結構勉強していたことが役立ちました。
そういう意味でも好きなジャンルの話しだったので、今だに思い出すのでしょうね。

いつか源氏物語の語りをやってみたいなあ。。。。
っていうか、平安妖異伝の次回作も準備したいんだけどね。。。。。

しばらくは会社の仕事が佳境に入るので、なかなか朗読に力を入れにくいです。
自分の公演は夏までお預けかな。。。
[PR]

by yoko4122 | 2005-03-04 23:23 | 役作りから得たもの  

女優C

さて、初舞台からちょうど一年後に取り組んだ芝居の話しです。
清水邦夫さんの作品で「楽屋」。芝居好きのかたはご存知かと思います。
楽屋を舞台に女優四人が繰り広げる物語です。
四人といっても二人は幽霊(AとB)。それからこの楽屋を一人で使う主演女優(C)。そしてもう一人は主演女優のもと付き人で、精神的に病んでいて、後に殺されてしまい幽霊になる女優(D)。。。

それぞれの芝居に対する思いや、人生観、恋愛観。。。。いろいろなものが詰まっています。
Cは、チェーホフの「かもめ」の本番中。楽屋には出番前にいてと出番後に戻ってくる。出番前は「かもめ」の台詞の練習をしたりする。
出番中は、AとBの物語になる。二人が何故幽霊として楽屋に棲み付いているのか。。。。
そして出番後に、精神的に病んだDが訪ねてくる。DはCに必死で、独りで主役を張り続ける人生の惨めさをずばずばと言い、そして主役をよこせという。(というか、もともと自分が主役
だったのだから返して、と訳のわからないことを言うのです)
追い詰められていったCはDを殴ってしまう。。。。。。。

その後のCの独白シーンが、難しく、そして好きでした。必死で稽古し、努力し、ようやく手に入れた主役。(この女優は大きな劇団の大女優ではない)孤独との戦いの日々。でも!これでいいんだ、と自分に納得させていく、立ち直っていくシーン。
すごく好きだけれど、難しい。だって、そこまでの経験がない。。。。。。そんなことはもちろん言い訳になりません。だったら殺人犯役の人は経験があるんですか?泥棒は?という話しになってしまう。

日々、また精神的な面での役作りに励みましたが、このときの演出家からはメソードという演技技法(って表現していいのかな?)を習いました。
それで、役としての精神的な掘り下げの役作り以外のアプローチの仕方を知ったのです。
メソードはこの後もう一年勉強しました。
(メソードの説明は長くなるので、また別の機会に。。。。。。)

このときに得たものの一番は、台詞ひとつひとつに込められた意味を深く考え、その人となりを捉えること。
すばらしい脚本なので、台詞のひとつひとつの繋がりから、人物像や過去の経験などが浮かび上がってくるのが良くわかるのです。

「他人を知る、理解する」ということに改めて面白さと難しさを感じると共に、ますます、これは心理学なんだ!と思えたのでした。
[PR]

by yoko4122 | 2005-01-26 21:13 | 役作りから得たもの  

お金目当てだったお婆さん

昨日まで書いてきた中国ものの独り芝居の上演の際、同時に「楊貴妃」の語り芝居も掛け持ちでやっていました。
その芝居の役どころは、(もちろんフィクションですが)少女時代の楊貴妃を育てた養母の役。
しかしこの養母は、少女の器量が良かったので、育てたら売っぱらおうと思って、育てることを引き受けたのです。

その話しを、十数年後に、とある人に語るという芝居でした。
ちょっとは少女に情も感じつつ、でも根本的に自分さえ良ければいい女で、少女を引き受けたときも金目当て、宮廷から突如迎えが来て手放したときも金額で目がくらむという、まあ、ある意味非常に正直な人です。
でも、人が一度に感じている感情って一色ではないですよね。
後々皇帝の妃になったのだから、手放すときにいくらお金をもらっても、もっともらっておけばよかったって思うし、でも十分もらったってこともわかっているし、長年育てた少女への情もあるし、そんないろんな感情が混ざり合った、しかも短い台詞をどうやって自分から出していくのか。。。。
この役は、すごく苦労したし、最終的にもまったく納得できなかった役でした。
お金目当てとか、売るつもりとかそういうのが、どうしても最後までしっくりこなかったんですね。まだまだ、本当に未熟でした。(って今も未熟ですが)

*しかし、演じ終えて、「納得した」と思える役はないですね。
 稽古の時点ではもう精一杯と思い、精一杯演じても、本番を終えた瞬間に反省の嵐に飲み込まれますから。。。。。
[PR]

by yoko4122 | 2005-01-25 23:15 | 役作りから得たもの  

私は楽な方を選びます。。。。

引き続き、中国ものの役作りのお話です!

さて、主君の遺児の代わりに忠臣であった男の赤ん坊を預かった老人は。。。
そもそも何故赤ん坊を預かったのか?

忠臣男と老人は話し合います。いかにして遺児を守り、育て上げるかを。
そして老人は尋ねます。
「跡継ぎを立派に育て上げるのと死ぬのとではどちらが大変か?」と。
忠臣は答えます。「育てるほう」だと。すると老人は言います。
「では私は楽な方を選びます」
そして、敵の役人に「老人が遺児を連れて山中にひそんでいる」と忠臣が告げ口にいき、手勢をひきいて山に入ります。
老人は、忠臣の赤ん坊を抱いて、殺されます。

この老人の台詞は、大滝秀治さんをイメージして演じました。
射されるシーンは、エネルギーを使い果たしてしまい、なかなか立ち直れなかったものです。

楽なほうをえらぶ、この一言で、忠臣は「生きて、遺児を守り抜く」ということの重みを、改めて実感したと思います。自分の赤ん坊も犠牲にしてまで実行するのです。
死のほうが楽だなんて。。。。。。。

でも、それほどまでもの主君との関係を、理解するのは難しいことでした。
ただの美談ではなく、そういう主従関係の深さのようなものを表現してほしいといわれていたのですが、果たしてそこまでのことができたのかどうか。。。。

これは中国につたわる古いお話しなので、いつか、自分で脚本にして、もう一度取り組んでみたい作品です。
[PR]

by yoko4122 | 2005-01-24 21:48 | 役作りから得たもの  

切羽つまれば皆役者?

続けて第二回目の舞台となりました中国ものの独り語りの話しを書きます。
いやーーな役人の役作りも色々と考えさせられ勉強になりましたが、この物語の主人公とも言うべく男がまたすごい人でした。
尊敬する主君の遺児を守るべく、単身で殺された主君の妻の元をたずね、遺児を連れ出します。そして。。。。。なんと同じころ生れた自分の赤ん坊を、殺された主君を同じように慕っていた老人と図って、遺児と偽る策略をめぐらすのです。
敵のいやーな役人のところに、その老人が遺児を連れて隠れていると「タレこむ」のです!!
しかし、その前にはなんと人望を集めている権力者の屋敷にも、金目当てで遺児を預かっているというようないやーーなことをいいに行ってお金をせびるのです。
それはもちろん敵だけでなく味方をも欺くという手段だったのですが・・・。

つまり役作りとしては「すごく良い人、忠臣」が、「いやーな金目当ての姑息な小者」を演じている役を演じるわけです。
それはそれは考え込んでしまいます。
何回やっても、演出家から「そんなんじゃだまされないと思う」といわれてしまうのです。

必死の思いでうそをつく人の、切羽つまった心情。。。。。。。。
それは役者というよりも、必死ゆえに別人格になりれるほど・・・・・?

ばれれば殺される、でも失敗すれば主君の遺児ももろとも殺される。。。。。。。

毎晩、毎晩考え、台詞を練習し。。。。。。。。通勤時も常に考えていました。
演出家からOKが出たときは本当に嬉しかったです。
[PR]

by yoko4122 | 2005-01-23 00:04 | 役作りから得たもの  

やなヤツの真実

さて、昨日書きましたように、二回目の舞台は中国ものの独り語り。
その中の登場人物でで、いやーーーな役人が出てきました。
無実の罪を押し着せてとある屋敷を襲い、皆殺しにするのです。かろうじて逃げ延びた妻は、
弟である領主の家に行くのですが、そこで赤ん坊を産みます。
その事実はひた隠しにされているのですが、当然赤ん坊の声が外に漏れます。
赤ん坊は、無実の罪とはいえ、「裏切り者の忘れ形見」ですから、見つかれば殺されます。

役人は、妻の部屋まで押し入り、赤ん坊を探します。
母親は自分の足元に赤ん坊を隠し、衣で隠すのです。
その緊迫したシーン。
妻(母)の台詞と、役人の台詞が交互になります。
妻は必死で平静を装いますし、役人は憎らしいことばかり言います。
この憎らしさと来たら。。。。。
しかしです、色々本を調べていくと、その役人の家は、昔その一族のために、ひどい目にあっていたのです。
そもそも、悪いことをしたからひどい目にあったともいえるのですが、歴史というのは往々にして、勝者の方が良いように書き残されます。
ということは、このいやーな役人にも、そうなる理由があったのでは!ということになります。
そんなことを考えていると、いやーなヤツとはいえ、その人の言い分が見えてきたりして。。。。
決して悪いことをする人を弁護するというような意味ではないのですが、偏った情報だけで人を判断してはいけないんだなということまでをも考えさせられた役でした。

でもまだまだ他にも演ずる役はあるわけで、私の役作りは続いたのでした。。。。。
[PR]

by yoko4122 | 2005-01-21 00:20 | 役作りから得たもの  

次の挑戦!

つい、ここ数日、久しぶりに飛鳥の風景を思い出し、思いを馳せていましたら、昨日の日経の夕刊に飛鳥のことが載っていてちょっと嬉しくなりました。

さて、「額田王」の後、一応プロダクション所属になった私が、その次に取り組んだのは無謀にも1人芝居(語り芝居)でした。

中国の古いお話しで、無実の罪で滅ぼされた家から逃れた妻(領主の姉)が産み落とした跡取の赤ん坊を、忠臣が自らの身を犠牲に守るおはなしでした。
約30分間語りつづけ、「泣き」「おびえ」「安堵」「喜び」「悲しみ」「憎しみ」「疑心」「苦しみ」そして「死」「感涙」などなど、あまりに盛りだくさんでした。
特に冒頭でいやーな役人が赤ん坊がいるのではとうたがって屋敷に押し入るシーンで「嫌な奴」を演じるのは苦労しました。他にも本当は忠臣なのだが周囲を欺くためにわざと裏切り者を装う人物など、合計5名の役柄を深く掘り下げたのは、非常に勉強になりました。
明日からはそのお話しを書いてみます!
[PR]

by yoko4122 | 2005-01-20 12:52 | 役作りから得たもの  

額田王3

三回目になってしまいました。。。
そう、役作りをどんなに頑張っても、頑張っているという段階では、まだまだ、稽古になると台詞に振り回されてしまいます。言い方とかにとらわれてしまったり。
しかもシーンごと(○幕、○場といった感じで)に断片的に稽古をしていたことも、気持ちの流れがうまくつかめない原因(未熟者なので)だったと思います。
それが通し稽古に入ってから、変わってきました。
作ってきたものが繋がってきて、台詞がするすると出てくるのです。
舞台に立つ前には、生れてから(というか記憶がある年齢から)舞台に出る直前までをゆっくりと思い返します。(瞑想って感じです)
そして、いざ、板に立つと、それまでのシーンごとの稽古で感じていた緊張がまるでないのです。
我ながらびっくりしました。こういうことなのか、稽古を重ねるって。。。。。と思いました。
本番は有難いことに良い評価をいただけました。

別な人を演じることの奥深さ、そして自分の引き出しが増える悦びをはじめて知った経験でした。
[PR]

by yoko4122 | 2005-01-18 23:20 | 役作りから得たもの  

額田王2

昨日につづいて額田王の役作りのお話です。

当時の師匠は、役作りのためにレポートを提出させていました。
舞台に出てくる直前までのその人の人生をすべて書くのです。
初舞台の役柄が50代というのは、ちょっときついですよね(笑)
中大兄皇子、大海人皇子との出会いや別れ、娘(十市姫皇子)の出産と別れなど、一つ一つを、色々な本を読んでは、自分で考え、台本と一致するように物語を作っていきます。
その年の大晦日は独りで原稿用紙に向かっていました。
後にも先にも独りで過ごした大晦日は今のところそのときだけです。

でもやっぱり書いただけではまだ足りません。
これを瞼の裏にいつでも、自分の思い出としてよみがえらせられるよう、映像として組み立てるのです。
会社の昼休みも庭で、ひたすら空想にふけりました。

そんな作業の中で、私は始めて、別な人の細かい発言や行動を深く考えるということを経験したのです。
この脚本の中の額田王は比較的私自身と価値観が似ていたので、今から思えば少しはやりやすかったのかも知れませんが、それでも「なんで、このときにこういう行動をとったのだろう」「なんでこういうことを言ったのだろう」と深く掘り下げていくと、少し前から勉強していた心理学やカウンセリングととても通じるような気がしてきて、そのうちに「こういうときにこういう行動をするひとは交流分析で考えると。。。。。」などと想像するようにもなっていきました。

でも、そんなことをしても、まだまだ演出家からはOKは出ないのですね・・・・・。
苦しい日々でした。
[PR]

by yoko4122 | 2005-01-17 23:44 | 役作りから得たもの